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眼内レンズについて
眼内レンズとは
白内障手術では、濁った水晶体の代わりに人工のレンズを眼の中に挿入します。この人工のレンズを眼内レンズと呼びます。眼内レンズは、手術後の見え方の質や生活の質といった視機能に最も影響を与えるものです。
手術で眼内レンズを挿入することで白内障になる前と厳密に同じ機能を取り戻せるとまでは言えませんが、ほとんどの方が眼鏡などを併用することで白内障になる前の状態に近い日常生活を送れるようになります。また、現在では多焦点眼内レンズなども出てきており、手術後の見え方の質も変わってきています。
眼内レンズの機能や形、費用などが多種多様になって選択肢が増えていることから、お悩みやご不安が増えていることも否定できません。生活習慣やお仕事、趣味などによって、患者様がご満足される見え方はかなり違ってきます。本当に必要とする眼内レンズをお選びいただくため、当院では丁寧なカウンセリングを行っています。
レンズの種類と選び方
お一人おひとりのライフスタイルに合わせた眼内レンズをご提案しています
眼内レンズは患者様の眼の状態だけでなく、ライフスタイルに合わせた選択が重要になってきます。特に、どこにピントを合わせるかという度数設定は、お仕事や趣味などにも大きく関わってくるため、慎重に決定する必要があります。
当院では、日常生活についてアンケート形式で患者様にお答えいただき、それを参考に患者様に適した眼内レンズをご提案しています。眼内レンズの選択によって手術後の見え方は大きく変わりますし、見え方は患者様の生活全体に大きく関わっていくものです。そのため、わからないことやご不安を全てご相談いただいて、手術後、見え方にご満足いただける眼内レンズをお選びいただけるよう全力でサポートしています。
眼内レンズの見え方の違い
多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズはそれぞれ見え方が異なります。多焦点眼内レンズは、正常な見え方と限りなく近い状態にすることが可能です。
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単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは、保険適用になっており、最も一般的な白内障手術用眼内レンズです。水晶体にはそれ自体が膨らんだり縮んだりすることで近距離と遠距離にピントを合わせる調節力がありますが、単焦点眼内レンズには調節力がありません。
そのため、遠距離にピントが合う単焦点眼内レンズの場合、新聞や携帯の画面など近い距離にあるものがぼやけて見えます。
近距離にピントが合う単焦点眼内レンズの場合は、手元がはっきり見える代わりに、遠くがぼやけます。
どちらも眼鏡を使うことで日常生活を不自由なく送ることができますので、遠視や近視の状態に似ていると言えます。生活しやすいよう遠くにピントを合わせる単焦点眼内レンズを選び、近くを見る時には老眼鏡をお使いになるケースが多くなっています。
多焦点眼内レンズ
光の屈折や回折という性質を利用して、遠くと近くの2箇所に焦点が合うように設計された多焦点眼内レンズは、できるだけ老眼鏡を使いたくないとお考えの方に向いています。最近は、中間にも焦点を合わせた3焦点の多焦点眼内レンズが主流です。健康保険の適用外ですから手術費用は高額ですが、近距離と遠距離のどちらもある程度でしたら眼鏡なしで生活することが可能です。
ある程度というのは、近距離では、40cmが目安となりますので、新聞やメニュー程度の文字は読めるようになりますが、それ以上小さい文字や細かいものを見る際には老眼鏡が必要になってくるからです。
また、個人差が大きいのですが、多焦点眼内レンズの種類によっては夜間の街灯や車のライトが手術前よりまぶしく感じるようになるケースもあります。
多焦点眼内レンズが利用しにくい方
多焦点レンズには、向かない方やご利用になれない方があります。
近方のピントの位置は、40cm前後のため、細かいものをさらに近くに寄せて見ることはできません。その際は、近方用の眼鏡が必要になります。会計業務や文庫本等の読書、お裁縫などには、いわゆる老眼鏡が必要になります。
また、レンズが複雑な構造をしていることから、暗い場所では明るいライトの光がにじんだり、まぶしく感じる可能性があります。こうしたことから、夜間の運転が多い方には慎重な検討が必要になってきます。
乱視が強い方には、遠距離と近距離ともに見づらさが残るため不向きだと言えます。
そして、眼底の病気や緑内障などの眼科疾病がある方は、多焦点レンズをご利用できません。
選定療養について
当院では、2020年4月より多焦点眼内レンズを使用する白内障手術を、選定療養で行なっております。選定療養とは、患者さんご自身が選択して付加価値をつける医療サービスです。基本的な白内障手術を保険の範囲内で行います。多焦点眼内レンズを使用する際に生じる追加費用は全額自己負担になります。