一度、濁ってしまった水晶体を元に戻すことは、現在のところできません。しかし白内障は手術を受ければ完治する病気です。現在、日本では白内障手術の手法が確立しており、多数の患者様が視力を取り戻しています。白内障手術の所要時間は10分程度で、痛みもほとんどないため、日帰りで受けることができます。

目薬

白内障治療では保険診療で目薬の処方が認められていますが、水晶体の濁りを取り去る目薬は残念ながらありません。目薬は進行を遅らせる目的で使用するものであり、大きな効果を期待できないため、ごく初期の白内障で視力にほとんど影響がない状態であったり、既往症や年齢などの問題で手術が受けられない場合に処方されることがあります。

手術

白内障はレンズの役目を果たしている水晶体が白く濁って、視力が低下する病気です。白内障手術では、白く濁ってしまった水晶体を取り除いて、その代りに人工の眼内レンズを挿入します。この眼内レンズは長期間の安全性が確認されています。また、手術後に白内障が再発することは一生ありません。

白内障の手術を受けるタイミング

白内障は放置しておくと必ず進行する病気です。手術を受ければ完治し、それ以後、白内障になることはないので、白内障による見え方の低下で日常生活に不便があるようでしたら、早めにご相談ください。なお、眼内レンズには様々な種類があり、手術後の見え方をお選びいただけますが、遠近両用の眼内レンズを用いた白内障手術には老眼を治療する効果があることから40代後半の患者様にも手術適応される場合があります。